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週刊ベースボール連載「ベースボール博物館」
その89 王貞治の日本刀

先週書いた通り、去年の今頃は王貞治監督の指揮の下、WBCで代表選手たちが奮闘を続けている真っ最中。イチローは「王さんに恥をかかせるわけにはいかない」と言ったが、それはもちろん王監督が、868本塁打を放った大打者としてメジャーからも尊敬される存在だからだ。今週紹介するのは、王が現役時代に練習に使った有名な日本刀である。

1959(昭和34)年に鳴り物入りで巨人入りした王だったが、最初の3年はぱっとしない成績。そんな王を変えたのが、62年に打撃コーチに就任した荒川博だった。荒川は文字通り朝から晩まで、王を徹底指導。時には王が夜中に荒川の自宅を訪れて練習したりもした。

合気道や居合道をたしなむ荒川は、王にワラや天井から下がった紙を刀で斬る練習をさせた。「全力だと利き腕の力が強くなりすぎてうまく斬れない。左右のバランスが大切」と荒川。王も「集中して、足元にたたきつけるようにするときれいに水平に斬れた。そこからダウンスイングを学んだ」と振り返っている。さらに荒川は右足を高く上げてタイミングを取る打撃フォームをひそかに練習させた。王の代名詞となる一本足打法の誕生だ。

「一本足」が初披露されたのが7月1日の大洋戦(川崎)。なかなか打撃が上向かない王に業を煮やした投手コーチの別所毅彦から「どうなっているんだ」と叱責された荒川は、王に「一本足で打ってみろ」と言う。すると王は1打席目でヒット、そして2打席目に弾丸ライナーを右翼席にたたき込んだ。そこから本塁打を量産し始めた王は、この年初めて大台に乗せる38本、引退する80年まで19年連続で30本塁打以上を打ち続けるのである。

「ベーブ・ルースを超えよう」と荒川は王に語った。王はもちろん半信半疑だったが、結果的にはルースも、ハンク・アーロンも超えた。2001年に荒川から博物館に寄贈されたこの刃渡り76センチの日本刀は無銘だが、偉大な記録を生み出したと考えればどんな名刀よりも価値ある一本と言える。現在東京・日本橋三越本店で開かれている「大好きな野球 王貞治展」で展示中。今後福岡へも巡回する予定だ。

(文責=編集部)

掲載号/週刊ベースボール 2007年3月26日発行 第12号
取材協力/財団法人野球体育博物館
※記事は掲載時のまま転載しております。会期の終了した企画展や、現在は館内で展示していない資料を紹介している場合があります。ご了承下さい。


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