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野球のはじまりとプレイのようすを教えてください。

 1995年ロサンゼルス・ドジャースの野茂英雄投手の活躍以来、毎日のようにMLBが放映されますと、野球がアメリカのNational Pastime(国民の娯楽) でありNational Game(国技)といわれる所以がよくわかります。しかしプロスポーツの盛んなお国柄、観客動員からみるとNBA(バスケットボール)やNFL(アメリカンフットボール)の方が野球人気を上回っているようです。しかし、アメリカの建国以前から行われていたとみられる野球の長い歴史が、国民の健康や国力の発展に大きく貢献してきたということから、野球は合衆国憲法と同じくらい大事にされているというわけです。

 では、そのアメリカに野球の起源があるのかということになってきますが、現時点ではイギリスにあると考えられます。今後どのような発見がなされるか、また、あまりに原始的な野球を野球というためには、どう定義したらよいのかなどにもよりますが、ここでは古い文献からベースボールを見ていきたいと思います。

ニッカーボッカー・ベース・ボール・クラブが1845年につくったルール

 1845年、ニューヨークで仕事をもつ紳士の社交クラブ、「ニッカーボッカー・ベースボール・クラブ」が、大人のレクレーションとして全20条からなるベースボール・ルール(上の写真)を成文化しました。彼らは、ユニホームを揃えましたが、まだ手作りのボールとバットだけのグラブもミットもない時代です。現在の1チーム9人であるとか、ダイヤモンドの塁間が90フィート(27メートル43.1センチ)で、ホームプレートから投手板までを60フィート6インチ(18メートル44.0センチ)に規定したとか、9回で勝負を決めるといったことは、まだまだです。彼らが決めたのは、ダイヤモンドは、ホームからセカンドまで歩いて42歩、ファーストからサードも同距離とするとか、先に21点取った方が勝ちという規定でした。スリーストライクでアウトになり3アウトで交代。ピッチャーは、下手から打たせるような投球をしていたらしくボールのカウントのことはありません。打球をダイレクトで捕ったらアウトですが、ワンバウンドした打球でも捕ったらアウトになっていました。ランナーにボールをタッチするとか、塁への送球が早ければアウトになりましたが、走者へボールを投げつけてアウトにすることは、やってはいけないと書かれています。
 打者には振り逃げのような規定もあります。ピッチャーには、ボークの規定があって違反したらランナーは、1つ進塁することができました。このニッカーボッカー・ルールが、近代野球のもとになっているとみられているのですが、現在の野球とは大違いだと思いませんか。

 さて、今のルールにもありますが、走者へボールを投げつけてアウトにするというのは、ラウンダースに見られるルールです。このことから野球はラウンダースから生まれたといわれてきたのですが、ここへきて、古い資料にベースボールということばはあってもラウンダースということばは出てこない。つまり、ある一時期野球がラウンダースと呼ばれていたのでは、と指摘する人も出てきました。

 そのようななか、昨年2004年3月12日ロサンゼルスタイムズ紙に、初期野球の様子を知る手がかりとなる文書が発見されたとありました。
 1791年マサチューセッツ州ピッツフィールドでのことです。ピッツフィールドの新しい礼拝所の窓を守るために、野球を含め全てのボールゲームを礼拝所の周囲80ヤード(73メートル)以内でおこなうことを禁止するというものです。どのようなルールであったのかわかりませんが、ベースボールが、すでに人気を得た遊びであったということを知らされて驚いているわけです。ということはアメリカでの野球の始まりはさらにさかのぼって考えなければいけないということで、ここでは、ベースとかボールということばではなくベースボール、と書かれた最古のものと考えられる「ア・リトル・プリティ・ポケット・ブック」から見てみたいと思います。

「1744年ア・リトル・プリティ・ポケット・ブック」

 アメリカでも人気を得た子供向けの遊びの本ですが、初版は、1744年にイギリスで出版されました。Base-Ballのページ(上の写真)には、草の広場で野球をしている3人の男子(同じような服装をした青年たち)が描かれた木版画があります。3人のすぐ脇には、ベースを思わせる腰程の高さの木の杭が三角形をつくっています。左側の青年はボールを投球しようとする瞬間で、目は右側の両手を広げ待ち構えているかのような青年に向けられています。バットは持っていませんので素手で打とうとしているのでしょう。残る一人は、片手を杭に置いて二人を見ています。イラストのキャプションともルールともいえる短い韻を踏んだ詩とさらに道徳的な詩が添えられています。しかし、これが、Base-Ball といわれてもなかなかピンときません。野球はバットとボールのゲームであるということからいえば、野球とはいえないことになってしまいますが、これが実際Base-Ball と呼ばれこの当時に遊ばれていたやり方だったのですね。

1796年イギリスのベースボール[右側]

 上のイラストの右半分は、イギリスのベースボールのバット(y)とベース(1〜5)、ホーム(A〜B)、サービング側のプレーヤー(a〜e)を表しています。著者はドイツの体育教育者で、イラスト左側のドイツのボールゲームと比較してゲームとスポーツの本に紹介したものです。発見者のDavid Blockさんによりますと、これが現時点では最も古い野球ルールということになります。ドイツのボールゲームを理解している青年たちに向けて書かれているということで、わかりずらいところがありますが・・・
 まず、ボールは現在使われているものより小さく、バットは、ヒッティングの部分が平面になっていて長さはおよそ2フィート。ベースは、10〜15歩間隔に不定形に配置され、プレーヤーの人数が多いときには数を増やしてトラックをのばします。
 サービングのチームとバッティングのチームに分かれ、サービングチームは、決まった守備位置はなく、ボールが飛んでくると思われるところへ位置し、ピッチャーは、A―B「ホームプレート」にいるバッターからわずか5〜6歩のところに立って、下手から弧を描くように投球します。
 バッターは、3回ストライクできますが、ボールに軽く当てた場合も、ホームの外へ少しだけ打球がでた場合も、3球空振りしたときも、ベースに向かって反時計回りに急いで走り出してホームへ戻って来ることを目的にします。もし、ボールをキャッチされたらアウトですが、面白いことに、ボールをキャッチした者は、チームメイトにイン!イン!あるいは、into the home plate!と叫んでホームプレートへ走り、ほとんどの者が到着したら、ボールをキャッチした者は、頭越しに後方へボールを投げなければならないというルールもありますし、バーニングと呼ばれる奇妙なアウトもあって、ランナーが、ベースにタッチしていないことに気づいたサービングチームのメンバーが、そのベースに走ってイン!イン!と叫んで、さらにベースに向かってバーンド!と叫んでボールを投げ、ホームプレートにすばやく駆け込むというものもあります。ランナーへのタッチとスローイングもアウトになります。1つの塁を2人が占めるようなことが起きる場合もあって、そのような場合は、速やかに1つの塁に1人という状態にしなければボールで打たれてアウトになります。攻守交代は瞬間の内にやらなければならず、新たにサービングに回るチームの誰かがボールを手に入れて、バッティングに回ろうとしている一人にタッチしたら再び打席を得るというようなルールもありますが、結局最後に勝つチームは、最後にスローをするチームになるのは、ボールをキャッチした者は、後方にボールをやわらかくスローするので相手チームの中でそれをつかんで再び投げられる者がいないからだと書かれています。確かにこういったベースボール・ルールを見ると、ニッカーボッカー・ルールでも近代野球に近いづいたのだと感じないわけにはいきませんね。

1867年7月18日付“ザ・ボール・プレイヤーズ・クロニクル”

 上の1867年7月18日付“ザ・ボール・プレイヤーズ・クロニクル”に載っているラウンダースのルールは以下のとおりです。

【1】 インとアウトに分かれ、プレーヤーは、少なくても10人、或いは12人から24人くらいで、30人では多すぎる。
【2】 ベースを五角形に15ヤードから20ヤードの等間隔で据え、アウトの組は五角形の外周一面に位置する。“プレイ”コールがあったら投手(6)はバッター(1)のひざあたりを目標に下手からボールを投げる。(投手は、投球するように見せかけてランナーを塁から誘い出してアウトにすることが許された)
【3】 バッターは、ボールを打ちそこなったらアウト。チップしたり自分の後ろににボールを落としたらアウト。打球が地面に落ちる前に捕られたり、ワンバウンドを捕られてもアウトになる。ベース間でボールをぶつけられたときもアウトとなるが、ベースに立っていればアウトになることはない。
【4】 バッターは、連続3球バットを振らなくてもいいが、4球目を振らなかったり、失敗したばあいはアウトになる。
【5】 得点は、インのプレーヤーが、各塁にタッチするごとに1つ与えられる。ボールが、ネット等に落ちたりアウト側が、「ロストボール」を叫んだときは得点4まで与えられる。
【6】 インの1人を除いてほか全員がアウトになったとき、もう1イニングやるつもりならば、「three fair hit for the rounders」とコールしてバッティングする。投球を何球見逃してもよいが、もし打ったら、3回のうち1回は、ベースを完全に1周しなければならない。失敗したらインサイドの攻撃が終了する。

 というものです。いかがでしょうか。それにしてもラウンダースのプレイ方法は、時代によってコロコロ変化しているのが特徴です。実は、ニッカーボッカーズから10年ほど遡った1829年と1839年に子ども向けのスポーツの本が出されているのですが、この2冊は、ほとんど同じ内容(フィールドが五角形ではなくダイヤモンドに変わっています。上の「ザ・ボール・プレイヤーズ・クロニクル」では、五角形)でありながら、1829年のロンドン版は、ラウンダースとして、1839年のニューヘブン版はベースボールとして紹介されているものですから研究者をなやませていましたが、ラウンダースはベースボールのルールの変遷の過程で一時的につけられたということであれば非常に理解しやすいものになると思いませんか。

 しかし、なぜ途中からラウンダースという名称が生まれたのでしょうか、またあの人気を掴んでいたというイギリスでおこなわれていたベースボールは、その後どのような経過をたどって消えたのでしょう?


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